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不動産投資に対する不安感にどう対処する!?

不動産投資に対する不安感にどう対処する

不動産投資に対する注目度が高まる中で、同時に不動産投資に対する不安感を抱く方も多いのではないでしょうか。

 「不動産投資」をキーワードに検索した方が、前後でどのようなキーワードを検索しているか時系列で調査したところ、第一位が「不動産」、第二位が「新NISA」、第三位が「不動産投資 失敗例」を検索していることがデータとして確認できました。「不動産投資」と、類似する「不動産」を同時に検索している点から、「不動産」といキーワードが第一位になる点は、検索の特徴として一般的な面もあるかと思われます。他方で、第二位が「新NISA」、第三位が「不動産投資 失敗例」を検索している点は注目に値します。

今回のコラムでは、「不動産投資 失敗例」に注目してみましょう。

不動産投資に不安を抱き、ネット検索で失敗例を閲覧しようとしていることがうかがえます。このほか、「不動産投資 初心者」も上位にランクアップしていることから、初心者が不動産投資に対する不安感をネットで解消しようとしているとも言えます。では、なぜ不動産投資に不安感を持つ方が多いのでしょうか。

不動産投資キーワードを検索

私は後を絶たない不動産投資のトラブルが影響していると考えています。2017年から2018年にかけて問題が顕在化した通称「かぼちゃの馬車」事件。株式会社スマートデイズがサブリース事業で展開していた女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」において、スマートデイズ社の経営破綻により、投資家に対する賃料支払が滞り、「かぼちゃの馬車」ブランドの物件に投資を実行した投資家にも影響が及んだ事件です。30年間の家賃収入を保証する契約が特徴となり、投資家はローンを活用して投資を行っている方も多く、賃料支払が滞ることで利息支払いにも影響したことで、社会問題化しました。
さらに2024年には「みんなで大家さん」という不動産クラウドファンディング商品を提供する事業主に対して行政指導が話題となりました。
開発許可を受けていない土地を不動産クラウドファンディングの対象不動産の一部に組み入れるなど、募集概要が実態に即していなかったり、わかりづらい点に対する行政指導となり、30日間に及ぶ業務の一部停止命令が生じております。
いずれの事件もメディアで多く報じられる事態となり、不動産投資への不安感を助長することに影響を与えていると思われます。

では、不動産投資に対する不安感をどのように払拭すればよいのでしょうか。結論として、文字通り、「不動産投資」を「不動産に対する投資」である点を再認識し、不動産投資に係る投資リスクを正しく把握する点が重要と考えます。具体的には、株式や債券と同じく、様々な投資と同様に投資リスクを把握したうえで、不動産特有の投資リスクも加えてリスクを捉えることが重要と考えます。

投資全般において、不動産投資は、ミドルリスクミドルリターンの特性があるといわれております。投資家が分散投資を志向するうえで、自身の投資リスク許容度に応じて、分散投資先の一つとして不動産投資を組み込むことも有効といわれております。

不動産投資は不安

「不動産投資は不安」といった認識が定着している背景に、不動産投資が分散投資先として認知が不足しており、加えて投資リスクの把握が不十分である点があると考えます。

最後になりますが、不動産投資の投資リスクを把握し、自身の投資リスク許容度に応じて不動産投資を検討することで、「不動産投資は不安」といった考えから、「分散投資のなかで、不動産投資リスクをとる」という考えに移行していくことが、漠然として「不動産投資は不安」という考えを自身で払拭することにつながると考えます。

著者 profile

日俣 賢太郎

不動産鑑定士 
東急不動産ホールディングス株式会社
日俣 賢太郎